贔屓にしている交際クラブ・デートクラブに、また新しい女性会員が入会してきたという情報を聞き、プロフィール写真を見てみると、 見れば見るほどその女性は美しい人だった。
新規入会してきた女性に写真を見ただけで恋に落ちる
成人に達しているものの、まだ少女の顔が抜けきっていない女性から漂ってくる清らかな美しさは、私が今まで出会ってきた多くの女性たちからは感じたことのない美しさであった。
私は心の中で、今まで接してきた新橋・銀座などでお世話になった女性達とも比較してみたが、そのような女性達と比べたとしても格段の違いがそこには存在していた。
私の主観による個人的な印象なのだが、今まで私が美しいと思っていた女性達は、いわば合成ダイヤモンドのような美しさだったのだ。
初めて会ったのであれば、素晴らしい女性だなと思うかもしれないが、2回3回と逢瀬を重ねると合成ダイヤモンドのごまかしがきかなくなり、その立ち振舞いが鼻についてしまうのであった。
しかしながら、写真の女性は天然なのか合成なのかというふうに悩まされることのない、天然のダイヤモンドのような温かみのある美しさを、全身からオーラのように放っているのだ。
人間の手が全く入っていない、ただただ自然に身を置いて作り出された天然のダイヤモンドの原石のような輝きが写真からでもありありとこちらに伝わってくるのが感じられる。
私はいてもたってもいられず交際クラブのコンシェルジュに、彼女とのデートをオファーする。
しばらくすると、コンシェルジュが彼女とのデートセッティングが成立したという報告をしてきた時から、デート当日になるまで苦痛の日々であった。
まさに彼女の美しさは天然のダイヤモンドのようで、最初に見た時から彼女の写真をデート当日まで何度も見ることになったが、見れば見るほど美しさが欠けることなく、彼女の魅力を再確認するのみである。
私が今まで遊んできた女性達の美しさというのは、この女性を前にすると、すべての女性が無意味な存在となってしまうくらいだった。
女性達と遊んでいた時の喜びは、この女性とデートすることに比べたら偽物と言っていい喜びであると思うくらいに、写真の女性は存在感があったのだ。
私は写真の女性のあまりにも酷過ぎる美しさに、今までの女性とのデートは何だったのかと、勝手ながらプライドを傷つけられたような気持ちになってしまう。
清らかさに溢れた彼女の微笑
デート当日となって待ち合わせ場所に現れた彼女は、まさに写真の通りの美しさでその場所に佇んでいる。
私が彼女の正面に立ち今日のデートの相手だということを告げると、彼女は美しくも清らかな微笑で出迎えてくれた。
その微笑みに私は癒されるどころか、ひっそりと心の中で嫉妬の炎が揺らめくのを感じていた。
この美しい女性と出会うことができて、デートまでセッティングしてくれた交際クラブに感謝の気持ちしか湧かない。
しかし、私の他にもこの交際クラブに会員登録している男性はいるのだ。
交際クラブ・デートクラブは男性に比べて、女性の割合が多いので彼らは女性達から私のように様々なアプローチを受けているだろう。
たとえそうであっても、目の前の彼女のように透き通った自然な美しさを、その身に表現しているような女性は数少ないだろうから、必ず他の男性達も彼女の虜になるだろうとの予想は、もはや私の中では確信に変わることになる。
今までとは質の違う彼女の笑顔
彼女とデートをしていると、まるで一秒ごとに私の今までの女性経験が、根底から揺り動かされていくような感覚を味わっていた。
私がいま感じているような幸福というのは、今までどんなにお金をかけても、どんなに女性に愛を語っても、手に入れることができるのかどうか分からないものであった。
新橋・銀座では、私に対して媚を売り、笑いかけてくれるような女性は飽きるほど見てきたが、その笑顔の裏には顔をしかめてしまうような貪欲さが隠れているか、隠し方も知らないような女性たちをたくさん見ている。
そのような女性達と、目の前で笑いかけてくれている女性を比べてみると、まさにダイヤモンドとただの石ころのように、その違いがありありと感じられた。
私は交際クラブで、通常では手に入れることができない幸福が目の前に存在していることを受け入れながらも、頭の片隅では今までの人生において、このようなタイプの女性と出会えなかったことに対して苦々しさを感じてしまった。
そして、この恨みにも似た気持ちは、向けるべき対象がいないので、心の中で対象のいない何かに罵倒の言葉を並べた後、現在は理想の女性とのデート中だったことを思い出した。
女性は少し不思議そうな顔を浮かべたが、特に不審がってはいないようだったので安心する。
私はいてもたってもいられずに、他の男性会員からデートのオファーは来たのか、もしかして既にデートは決まっているのか、というふうにマナー違反をしてしまう。
しかし、彼女は気分を悪くした様子はなく、まだ私以外にデートはしていないし、デートの約束も決まっていないということだった。
私は喜びでいっぱいで、彼女と連絡先の交換をして、次のデートの約束を取り付けた。